10月16日(土)、北野市民センターで「防災講演会」が開催されました。
自治会は「防災活動」を最重要課題の一つとして、継続的に各種の取り組みを行ってきました。その活動の一つとして、2017年から都立大の都市政策科学科教授、市古先生をアドバイザーとしてお招きして災害から身を守るための地域防災活動をテーマに毎年活動を展開してきました。
今回の講演会は、これまでの4年間の取り組みの成果を踏まえ、市古教授による「自ら察知・判断して危険から身を守る」をタイトルとし、「絹ヶ丘一丁目での適応型防災ワークショップおよび地域防災活動」と「家庭防災の交互作用に関する世帯アンケート調査の報告」の二つをテーマとした講演でした。講演の要旨は以下の通りです。
第1のテーマ「絹ヶ丘一丁目での適応型防災ワークショップおよび地域防災活動」について
- 都市郊外丘陵住宅地である絹一の災害に対して、住民・大学・行政が連携して検討が行えたことに意義があった。地域として問題の共有化できたことは組織としての信頼関係と積極性があったからである。
- 土砂災害特別警戒区域に指定されたガケ地について、管理、監視、ガケ上下の人間関係などについてアイデアが示された。
- 災害時の安否確認後の生活回復のシナリオが示された。
第2のテーマ「家庭防災の交互作用に関する世帯アンケート調査の報告」について
- アンケートの回収率は46%で社会調査の回収率としては高い。意識の高さを示した。
- 回答者の年齢と家族構成は、単身世帯が20%、2人世帯が39%。65歳以上の1人、2人世帯者は43%と超高齢者地域である。
- 居住満足度は、約90%が満足と応えた。敷地規模の違い、居住年数の違いによる満足度の差は見られない。
- 地震による災害の不安では、自宅損壊や擁壁・崖の崩壊などへの不安は、約80%と高いが、台風豪雨に対しては、浸水についての不安は15%と低いが土砂災害は、60%と高い。
- 土砂災害警戒区域を60%が知っているが、確認しているのは35%と低い。
- 災害時の自宅外避難先は26%が確保していると応えた。
- 災害対応への自信度は、60%以上が自信なしと応えた。
- 安否確認訓練に参加したことがないと応えた人が15%いた。
- 自治会の防災活動は活発だと87%の人が考えている。
- 地域活動にこれまで積極的に関わってきた人は55%、頼まれれば引き受ける人は80%、貢献すべきと考える人は87%いた。
- 災害時、頼りになる関係性では、家族親戚と応えた人が85%であった。また、ご近所同士の付き合いも57%であった。
このアンケートの結果から感じることは、災害に対する意識を高め、積極的参加してもらうためには、できるだけ外に出てもらい、居住する地域の様子を知り、人とのかかわりを持ってもらうことの重要性を知った。そのためにも絹一という地域で自治会や老人会、子ども会、サロン活動組織などの地道な活動が行われることが大切である。